日差しが強くなると気になるのが「日焼け」。
大人の場合は日焼け止めでUVケアをするという方も多いかと思いますが、小さな子供の場合はそもそも「日焼け止めを使ってもよいのか」「何歳・何か月頃から使用できるのか」等、悩む方も多いのではないでしょうか。
本記事では、小さなお子様向けにどのような日焼け対策ができるのか、日焼け止めはどのようなものがおすすめなのか等まとめました。
敏感肌・アトピー性皮膚炎持ちの私が実際に使ってみたものから、おすすめの日焼け止めもご紹介します。
この記事では主に下記の3点について紹介しています。
- 子供に日焼け止めは必要なのか?
- 子供向けの日焼け対策
- 子供向けの日焼け止めの選び方・塗り方
子供に日焼け対策は必要か?
大人は日焼け止めをつけたり日傘をさしたりする方も多いですが、子供の場合は適度な紫外線が骨の形成を助けることから「小さいうちは日光浴させた方がよい」「子供にUVケアは必要ない」と思う方も多いかもしれません。
しかしながら近年では1日10~15分ほど日光を浴びることで十分に骨の形成を助ける効果が得られることがわかり、生涯に浴びる紫外線量の約半分を18歳までに浴びている……ということもわかってきました。
日本小児皮膚科学会のホームページには下記のように記載されていました。
骨を作るために必要な栄養素ビタミンDを作るためには、日光に当たることが必要ですが、そのためには、1日のうちで手の甲が15分日光に当たる程度で十分なのです。普通の散歩や買い物程度を行っていれば大丈夫です。
日本小児皮膚科学会HPより引用
1998年には母子手帳から「日光浴のすすめ」という記載がなくなり、現在では、子供の日焼け対策は幼い頃からしっかりしておくのが大切、という考えがスタンダードになっています。
一般的に、子供のころから紫外線を浴びすぎると、大人になって下記のような症状(光老化症状)が出てくることがわかっています。
- シワ・シミといった皮膚老化を早める
- 大人になったときに、皮膚がんを起こしやすくなる
- 目の病気(白内障、翼状片、網膜のメラノーマなど)を起こしやすくなる
赤ちゃんの頃からの日焼け対策をすることは、大人になってからの生涯を健康に過ごすためにも、重要なことなのです。
確かに日光を浴びることは大切ですが、過剰に浴びすぎる必要はない、ということですね。
将来の皮膚老化を防ぐためにも、子供への日焼け対策は大切なんです。
日焼け対策の基本
日焼けしすぎないようにするためには、活動時間や服装も大切です。
押さえておきたい基本の日焼け対策のポイントを紹介します。
【Point1】紫外線が多い時間帯を避ける
1日のうち、10:00~14:00頃が、一番紫外線の量が強くなります。
おでかけする際はできるだけその時間を避けて、朝早い時間や、夕方に散歩や外遊びの時間を取り入れるのがおすすめです。
【Point2】日向ではなく日陰を選ぶ
直射日光が当たる場所はできるだけ避けましょう。
日陰は日向に比べて約50%に紫外線が減るとのこと。
テント、ひさし、屋根、パラソル、よしず等を利用し、できるだけ日陰を選んで遊ばせるのがおすすめです。
【Point3】帽子や衣類で直射日光を避ける
おでかけの際は、つばの広い帽子をかぶせるようにしましょう。
帽子のつばは7cmあれば、約60%もの紫外線をカットできるそう。
服装は、七分袖や襟付きのようにできるだけ肌の露出が少ないものや、織目や編目がしっかりした木綿か、ポリエステル・木綿の混紡素材でできている衣服がおすすめ。
また、白色や淡い色の衣服の方が、紫外線を反射しやすくなります。
より効果を高めるためには、UVケア機能がある繊維でできた衣類を選ぶのもおすすめです。
プールなどの水遊びでは、ラッシュガードを着用すると、紫外線が防げます。
- 帽子のつばが広いものがおすすめ。
- 衣服は木綿やポリエステル・木綿の混紡素材や、UVケア機能の繊維でできた服を選ぶ。
- 色は白色・淡い色の服がおすすめ。
- 水遊びではラッシュガードを着用
【Point4】季節・天候を問わず日焼け対策をする
晴れの日だけでなく、曇りの日も紫外線は降り注ぎます。
曇りの日の場合も晴天の約80%の紫外線が出ているので、油断せずに日焼け対策をするようにしましょう。
また、日焼け対策といえば夏のイメージですが、紫外線は1年の中では4月~9月頃に特に強くなるそうです。
人間の皮膚は夏から秋にかけて色素を増して角層(皮膚の最外層)が厚くなり、紫外線に対する抵抗力も強くなるとのこと。
抵抗力がまだついていない春の紫外線対策が特に重要です。
【Point5】日焼け止めを活用する
日焼け止めは、赤ちゃんの頃から使うことができます。
ベビー用・子供用として販売されている、低刺激処方のものを選ぶのがおすすめです。
子供向けの日焼け止めの選び方・使い方
日焼け対策の強い味方「日焼け止め」。
子供用の日焼け止めを選ぶポイントや、塗り方についてご紹介します。
日焼け止めの選び方
①低刺激のものを選ぶ
日焼け止めは肌に優しい成分のものを選びます。
ベビー用・子供用として販売されているものや、低刺激性と書いてあるものを選ぶのがおすすめです。
②日焼け止めの効果で使い分ける
日焼け止めの効果はSPF・PAという数値で表されています。
お買い物等の日常生活の場合と、外遊びで必要な日焼け止めの数値は異なりますので、下記を参考に使い分けてみてください。
- 日常生活の場合:SPF15~20・PA++
- 海・山等の屋外レジャー:SPF20~40・PA++~+++
日常生活では、SPF15以上、PA ++ ~ +++が目安。
SPFの値の高いものを使う必要はないそうです。
SPF・PAとは?
SPFは紫外線B波・UVB(短時間で肌に赤みや炎症をおこさせ、黒化につながりやすい)から肌を守る効果を示す指標です。
PAは紫外線A波・UVA(直後に黒化を引き起こし、長時間かけて肌の弾力を失わせる)から肌を守る効果を示す指標です。
SPFとPA表示は国際的な基準で1㎠(1平方センチメートル)あたり2mgを塗布して測定した値のことで、製品選択時の目安になります。
③外遊びにはウォータープルーフがおすすめ
汗や水で落ちにくい日焼け止めをウォータープルーフ(water-proof)といいます。
外遊びの場合は、汗で落ちにくいウォータープルーフの方が効果的。
水にも強いので、夏のプールや水遊びのときにもおすすめです。
日焼け止めの塗り方
日焼け止めは薄くのばしすぎると塗る量が足りず、効果が低くなります。
製品に記載された使用量を守って塗りましょう。
特に記載がなかった場合は、下記を参考にしてみてください。
顔に塗るときの適量目安
クリーム状の日焼け止めの場合
- パール粒1個分を手のひらに取り、額・鼻の上・両頬・あごに分けて置く。
- まんべんなく丁寧に塗り広げる。
- もう一度、パール粒1個分とり、重ね付けする。
液状の日焼け止めの場合
- 1円玉硬貨1枚分を手のひらに取り、額・鼻の上・両頬・あごに分けて置く。
- まんべんなく丁寧に塗り広げる。
- もう一度、1円玉硬貨1枚分とり、重ね付けする。
腕・足など広範囲に塗るときの適量目安
- 容器から直接、直線を描くようにつける。
- 手のひらで螺旋を描くように、クルクルとしながら均一にムラなく塗り広げる。
虫よけやハンドクリームと併用したい場合のつける順番は?
下記の順番で塗ります。
- 保湿剤(ハンドクリームや塗り薬)
- 日焼け止め
- 虫よけ
日焼け止めを塗った後は…
日焼け止め使用後はきちんと洗い落としておくことも大切です。
石けんやボディーソープで落とせるものが多いですが、ウォータプルーフの場合はやや落ちにくくなるので、いつも以上に丁寧に洗うのが大切です。
子供向けのおすすめ日焼け止め
子供向けの日焼け止めとしておすすめのものを紹介します。
日常生活向けのキッズ日焼け止め「ニベアUV ウォータージェルこども用」
「ニベアUV ウォータージェルこども用」は、ジェルタイプなのでべたべたせず、白っぽいのが残らないのが特徴の日焼け止め。
SPF38・PA+++で、毎日のお出かけやお買い物など、日常生活での日焼け止めとして使えます。
低刺激処方で、こすらずに石鹸で落とせるのも魅力です。
こども用のジェルUV日焼け止め「ニベアUV ウォータージェルこども用」を使ってみました。 ビオレUVマイルドケアミルクが廃番となり、子供用に別の日焼け止めを探していたところ、見つけたのがこちら。 ジェルタイプなのでべたべ[…]
外遊び向けのキッズ日焼け止め「マミーUVアクアミルク」
「Mommy! UV Aqua Milk(マミー UVアクアミルク)」は、食品成分でつくったミルクタイプの日焼け止め。
日焼け止め効果はSPF50+・PA++++で、屋外レジャーや公園での外遊びにおすすめ。
ウォータープルーフタイプなので汗や水で落ちにくく、水遊びにおすすめなんだそう。
食品成分でつくったミルクタイプの日焼け止め「Mommy! UV Aqua Milk(マミー UVアクアミルク)」を使ってみました。 日焼け止め効果はSPF50+・PA++++と高く、ウォータープルーフタイプなので、長時間の外遊[…]
まとめ
- 紫外線が多い時間帯を避ける
(朝早くor夕方がおすすめ) - 日向ではなく日陰を選ぶ
- 帽子や衣類で直射日光を避ける
(服は木綿やポリエステル・木綿の混紡で、白色や淡い色の衣服がおすすめ) - 季節・天候を問わず日焼け対策をする
(紫外線は1年の中では4月~9月頃が一番強い) - 日焼け止めを活用する
- 日焼け止めは低刺激のものを、シーンに合わせて選ぶ。
- 日焼け止めの量が足りないと効果が得られないので、適量を守る。
- 日焼け止めを塗った後はしっかり洗い流す。
私の子供の場合は、帽子をかぶせていても子供が脱いでしまったりすることが多く、とりあえず日焼け止めだけでも出る前につけるようにしています。
夏場は特に日焼け止め塗っていてもだんだん焼けてくるのですが、つけていないよりはつけていた方がいいのかな……と思い、塗り続けています。
今回調べてみて、日焼け止め以外にも工夫ができるポイントがあったので、衣服や時間帯等、見直してみようと思います。
肌がデリケートな子供の場合、日焼け止めはSPFの高いものをつけると刺激が強くかぶれたりすることもあるとのこと。
また、つけたときにべたべたするものも嫌がることがあります。
低刺激・ベタつかないものを選ぶとよいそうですよ。
“子供に日焼け止めって塗ってあげるべき?|うえの小児科クリニック”,<https://www.ueno-kids-clinic.com/column/hiyake.html>2025年7月27日アクセス.
“こどもの紫外線対策について|日本小児皮膚科学会”,<https://jspd.umin.jp/qa/03_uv.html>2025年7月27日アクセス.